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日々の生活を、便利に、快適にする『デジタル』を電子雑誌フリック!編集長の村上タクタがご紹介。
第4回は、スマホなどで使える『モバイルバッテリー』の選び方
iPhoneやアンドロイドなどのスマホを使うようになって、携帯の電池が持たなくなった……ということありませんか?
大画面、高い処理能力と“燃費”が悪いこともあるが、SNSをひんぱんに見たりと、昔の“ガラケー”より使用頻度が上がっているのも影響は大きいかもしれません。充電が1日持たずに困る……という人も多いのではないでしょうか?
そんな中、必需品となっているのがUSBで給電する機能を持つ『モバイルバッテリー』。一般にリチウム系の電池を内蔵し、USBケーブルを介してスマホを充電できるものが増えています。
様々なメーカーから発売されて、今や百花繚乱のモバイルバッテリー。選び方のポイントをお教えしましよう。
まずひとつは、容量。電池の容量はmAh(ミリアンペア・パー・アワー)で表示されています。一般に市販されているモバイルバッテリーの容量はだいたい、1,000〜1万mAhぐらいのものが多いようです。
ひとつの参考として、iPhone 5の電池容量が1,440mAhというのは覚えておいた方がいいかもしれません。最近の大画面のアンドロイド携帯には2,000mAh前後のものも多いようです。
では、その容量のモバイルバッテリーを用意すれば、スマホを満充電にできるのでしょうか?
答えはNo。充電する時のロスによって、7割ぐらいしか供給できないのです。ちょうど、バケツの水を移そうと思っても、いくらかこぼれたり、元のバケツに残ってしまうようなリクツです。
だから、iPhoneや、一般的なスマホを満充電にできるモバイルバッテリーを用意しようと思うと、それぞれ2,000mAhから、2,700mAhぐらいの容量があるモバイルバッテリーが必要になります。つまり、5,000mAhなら、2回、1万mAhなら4〜5回充電できるような勘定です。
ややこしいことを言いましたが『2,000mAhでiPhoneを1回満充電にできる』……と覚えておくといいでしょう。
容量の他にもうひとつ重要なのは、何Aで電力を供給することができるかということです。
容量も電流量もA(=1000mA)で表示されるのでややこしいですが、1Aを1時間供給できる電流量が1Ahということです。理論値ではありますが、おおまかに言うと1Aの供給口からiPhoneを満充電にするための2,000mAhを流すと2時間で満充電になるということです(実際にはそんなに理屈通りにはいきませんが)。
本来USBの規格は、500mAh(電圧は5V)で電源を供給できるという規格だったのですが、最近大きな電池を積んだタブレットなどの登場により500mAhでは追いつかなくなり、より大電流の充電を受け入れることができるようになっています。
iPadなどは、2.1A(つまり、2,100mAh)での充電を受け入れることができます。単純に計算値でいえば、500mAで充電していると、24時間以上かかるので、大電流で供給できるようになっているというわけです。
モバイルバッテリーは各企業の努力によって、とても安全に作られてはいますが、本質的には『エネルギー』が詰まっているわけだからリスクゼロというわけにはいきません。不法な改造をしないとか、あまり怪しい企業のものは使わないなど最低限の安全対策はとっておいた方がいいでしょう。
通常、電話メーカーなどは、自社製品以外の充電器を使うことはイヤがりますが、ちゃんとした保護回路の入ったものでないと、電話自体を破壊したり、場合によっては燃やしたりすることもあるワケで、ある意味当然といえます。安価な輸入物の充電機には、やはりそれなりの保護回路しか搭載されていないことが多いものです。
昨今では安全回路なども充実していますし、セル自体の安全性も高くなっています。しかし、夏の車内など異常な高温にさらさない、濡らさない(ショートして発火する怖れがある)など最低限のリスク管理は行うようにしたいものです。
リスクの話をしましたが、信頼のおけるメーカーのモバイルバッテリーがあれば心置きなくスマホを使えます。自分のライフスタイルにあった容量のモバイルバッテリーを用意して、長時間外出する日などに持っていると安心です。