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老舗ITライターの荻窪圭がパソコンやインターネットの「難しい」「ややこしい」をすっきり解決! パソコン・インターネットお悩み相談室

第17回 Q.コンピューターウイルスっていったい何のこと? コンピュータに感染するのですか?

コンピューターに感染するウイルスのことでしょうか? 人間や動物のウイルスとどう違うのでしょう? 感染したらこわいことになるのでしょうか? よくウイルスの話が出てきます。なんだか悪いものということはわかるのですが、コンピューターがウイルスに感染するといわれてもピンときません。それはいったいどういうもので、防ぐことはできるんでしょうか?

A.まるでウイルスのように増殖するコンピュータ用のプログラムのことです。

コンピューターウイルスが出はじめた頃はそれがどういうものなのか簡単な解説とともに語られていましたが、言葉が定着してしまったせいか、なかなかわかりやすく教えてくれるところはありません。そこで解説してみましょう。

ここでいう「ウイルス」は人間や動物に感染する病原体とはまったく別のものです。もともと「ウイルスのように増殖する」というところからきた「比喩」です。ですから人間にうつったり空気感染したりはしませんし、パソコン同士を接触させても感染はしません。
今では言葉の意味が広がって「コンピューターに悪さをするプログラム」の総称として使われることがあります。

「コンピューターウイルス」ってどんな「ウイルス」?

病原体の一種である「ウイルス」は生物の細胞に感染すると、どんどん増殖するという性質を持っています。そこに注目して、「目には見えないけど、パソコンの中でどんどん増殖したり他のパソコンに勝手に感染するプログラム」をコンピューターウイルスと呼ぶようになりました。

感染や増殖といいましたが、あくまでも比喩ですから、空気感染はしません

あらかじめ「自分自身と同じものをコピーしてターゲットとなるソフトウェアの一部を置き換えて本物のフリをして入り込む」ようにプログラムが作ってあるわけです。

パソコンは無数のプログラムが組み合わさって連動して動いています。Windowsひとつとっても、中には無数のプログラムがあります。たとえばあるプログラムは画面の描画を担当し、あるプログラムは計算を担当し、と考えればわかりやすいでしょう。

そういうWindows内の無数のプログラムを利用して、文書を作るプログラム(たとえばWORD)が動いているわけです。
コンピューターウイルスはそんな既存のソフトウェア(たとえば、Windowsなど)の一部を書き換えてそこに居座り、正しいプログラムのフリをして動作し、増殖(つまり機会があるごとに自分自身のコピーを作って増えていく)します

どうやって増殖するの?

● コンピューターウイルスはどこから?

イラスト

増殖の方法はいくつかありますが、よくあるのが「メール」や「USBメモリー」を介したもの

メールで感染とは?

ウイルスに感染したWindowsからメールを送ろうとすると、メール送信時に勝手に「ウイルスが含まれた」ファイルがメールにくっつきます。それを受信した人が「なんだろう?」と開くと、受信側のパソコンもウイルスに感染するわけです。

USBメモリーで感染とは?

USBメモリーも同様で、ウイルスに感染したパソコンにUSBメモリーを差すと、ウイルス自身が自分のコピーをUSBメモリーにコピーし、そのUSBメモリーが他のパソコンに挿されたとたん、ウイルス自身がそのパソコンにコピーされます。こうして増殖していったのです。

感染というと人間のウイルスと同じみたいですが、実際には「Windowsの無数のプログラムのひとつを書き換えて自分自身のコピーで乗っ取っちゃう」みたいなことが起きるわけです。

でも使っている人の目には見えません。毎回「今からウイルスがインストールされますが、よいですか?」なんて聞いてくれる親切なウイルスはいませんから。こっそり侵入します。ですから、後でやっかいなことになるわけですね。原因不明のトラブルに見舞われるとか。

大事なのは「感染」とか「ウイルス」という言葉を使っているけれども、それは「比喩」で、悪さをするプログラム(ソフトウェア)を指すということです。

「マルウエア」とは?

今、悪さをするプログラムとしましたが、実際に「コンピューターウイルス」は、悪さをするプログラムの「感染のしかた」を示す言葉にすぎません。厳密にいうと「ウイルス以外」の方法で広がるものもありますから、一般には、悪さをするソフトウェアを総称して「マルウェア」と呼んでいます

大事なのは「悪さって何? 」「悪さをするソフトなんて入れてないんだけどどうやって入り込むの?」の2点です。

まずはどうやって侵入するの? ということ。先ほど、USBメモリーやメールの添付ファイルで感染するという話をしました。他にもマルウェアが自分のパソコンにはいってしまうケースがあります。

ダウンロードしたソフトウエアに

インターネットからダウンロードしたソフトウェアやファイルがウイルスに冒されていた、ということもあります。きちんとしたソフトウェアはネットに公開する前にしっかりチェックをしていますが、時にはマルウェアが紛れ込むこともありますし、ソフトの制作者がわざとマルウェアを仕込むこともあります

インターネットを通して勝手に侵入

インターネットにつないでいるだけで勝手に入ってくるマルウェアもあります。インターネットにつながっているということは、あなたのパソコンがインターネットに対して開いているということです。ただ、普通は「外部から侵入されない」ためのソフトウェア(ファイアウォール)が裏で働いていますが、それがオフになっているとすぐ見つけられて狙われます。

● マルウェアはこんな悪さをする

イラスト

昔はこんなウイルスがいました

最近は見かけなくなりましたが、昔は、「突然画面にデタラメな文字や図形を表示する」ウイルスや、特定の日時になるとパソコン内のファイルをランダムに削除してしまうウイルスもありました。

Webブラウザにとりついてキーボードの入力を監視する

どんなキーを押したかを記録してネットを通して外部に送るというウイルスもあります。そんなことをしてどうするのか? パスワードを盗めてしまうではないですか。

たとえば、このソフトを入れたらあなたのパソコンが快適になりますよ、というフリをしてソフトをダウンロードさせたら、実はそれがマルウェアで、パソコンに入っている個人データをこっそり送っていたということがあり得るのです。

このようにパソコン内の個人情報やキー入力などを勝手に送信してしまうマルウェアを特に「スパイウェア」と呼んでます。

人を騙す詐欺系のマルウェア

Webを見ていたら突然画面に「アダルトサイトの会員になったのだから金を払え」というメッセージが出て消えなくなったとか、突然「あなたのパソコンはウイルスに冒されているからここをクリックして対策ソフトをダウンロードしろ」と脅かされたりとか、そういう「脅して金を巻き上げよう」というのもマルウェアの一種と思っていいでしょう。びっくりしてWebブラウザを閉じようとしても閉じれないと慌てますよね。

踏み台にされることもあります

たとえば、ネットを使って犯罪を犯しても、ネットの記録を辿ればどのパソコンから犯罪行為を行ったかがわかってしまいます。そこで発信元をわからなくするために、ネットにつながった他のパソコンを経由しようとします。もしあなたのパソコンを利用して犯罪が行われたら、警察からはあなたが犯罪を犯したように見えてしまいます。「遠隔操作ウイルス」として知られており、実際に冤罪事件が発生しました。

どうやって防げばいいの?

個人的に気をつけていれば防げるか、というとそうでもありません。添付ファイルを開かないとか、怪しいサイトに行かないとか対策はありますが、それで防げるマルウェアは限られているのが実情ですし、「怪しいサイトってどれのこと?」といわれてもそれが判断つくのはある程度使い慣れている人だけでしょう。

よって基本的な対策はしなければなりません。

まず、Windowsのアップデートは必ず行うこと。Windowsは無数のプログラムの集まりですが、ひとつひとつは人間が作っているものですから、思わぬところにミスが潜んでいるものです。そのミスが発見されると、すぐにWindows自体が修正され、アップデートでユーザーに修正版が配信されます。それにより、ミスをついて悪さするマルウェアから護ることができます。

続いて、Windows自体のセキュリティー機能はオンにしておくこと。Windows Defenderですね。これをまず使いましょう。

Windows Defender

Windows Defender 画面

そして、セキュリティーソフトを使うこと。

ウイルスのみならず、様々なマルウェアをチェックして削除してくれます。セキュリティーソフトはメールの添付ファイルにマルウェアが紛れ込んでいないか、ダウンロードしたソフトにウイルスが感染してないか、外部からのインターネットを通した侵入がないかを常に監視して必要に応じて跳ね返してくれる縁の下の力持ち的仕事をしてくれるので安心です。もし入り込んでしまっても、パソコン内にマルウェアが紛れ込んでいないか調べてくれる機能もあります。

大事なのは、セキュリティーソフトも常に最新版にしておくこと。なぜなら、毎日の様に新しいアイデアと技術を持ったマルウェアが登場するからです。新しいマルウェアが出たら、セキュリティーソフトの開発会社はそれに対抗して修正版を出します。

昔は「アンチウイルスソフト」といわれていましたが、いまはウイルスだけでなく、総合的にチェックしてパソコンを護りますから「セキュリティーソフト」と呼ばれています。

マルチデバイスセキュリティwith Norton 360™ Online

自動更新のセキュリティーソフト(画面はマルチデバイスセキュリティ with Norton 360™ Online)

スマートフォンは平気?

キャプチャ

スマートフォン用のセキュリティーソフト(画面はマルチデバイスセキュリティwith Norton 360™ Online Android版)

実はスマートフォンも中身はパソコンのようなものですから、マルウェアの危険にはさらされています。パソコンに比べるとセキュリティーがしっかりしていますが、油断はできません。すでにスマートフォン用のマルウェアも発見されていますから、スマートフォン用のセキュリティーソフトをいれておくのがいいでしょう。アプリをインストールするたびにウイルスチェックをしてくれます。

インターネットにつなぐのをやめればいいの?

極端な話、パソコンを使うのをやめればウイルスに感染したり、マルウェアに悪さされたりはしなくなります。
でもそれは、家を出たら交通事故に遭ったりインフルエンザにかかったりする可能性があるから、家を一歩も出ません、というのと同じようなものです。実際には、危ない道路は避けたり、信号をつけてもらったり、道路を渡るときは左右をちゃんと確認したり、マスクをつけたり、手洗いとうがいをしたりとリスクを減らしつつ、我々は外出をします。

パソコンも同じです。自分でできることは自分で気をつけ、難しいことはセキュリティーソフトにまかせつつ、その便利さや楽しさを存分に味わうのが一番よいでしょう。

  • (※本記事の内容は2015年2月26日時点の情報です)

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写真「荻窪圭」

著者プロフィール

荻窪 圭

1980年代にパソコン雑誌のライターとしてデビューした老舗のIT系ライター。趣味が嵩じて、「古道研究家」や「猫写真家」と呼ばれることもある。最近はデジタルカメラやスマートフォンを中心に活動しておりデジタルカメラ評論家としての側面が強いが、かつては入門記事を多く手がけるパソコンライターとして、「ASAHIパソコン」「特選街」をはじめとする無数のパソコン誌・一般誌に執筆していた。

写真「古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド (玄光社MOOK) 」

近著に「東京古道散歩」(中経の文庫)「古地図でめぐる今昔東京さんぽガイド」(玄光社)「デジカメで人物を上手く撮る見本帳」(共著。翔泳社)などがある。

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