ブックタイトルe-mansion life vol.5

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概要

e-mansion life vol.5

ここで大切な考え方が、人はそれぞれ性格や身体特性が違うのだから、一律の方法で行動変容を促すのではなく、個人ごとに異なる生活環境やバイタルデータなどの情報を日々きめ細かく取得し、解析し、個人ごとの健康維持や健康管理をカスタマイズするということです。このきめ細かな情報(強縦断データと呼ぶ)を取得するために、スマートデバイスとインターネットの活用が不可欠です」「実は健康寿命を損なう要因の2/3は、脳の老化が原因だというデータがあります。つまり高齢者の健康を考える場合、加齢に伴う日常生活の健康リスクをいかにして制御するか、という新しい視点が大切になってきているのです。そのためには疾病や健康リスクの初期検知が重要です。そこでITを活用した、介護予防や見守りなどの〈新医療の時代〉が始まろうとしています」山本教授の話によれば、ITとビッグデータ解析を組み合わせることで、自分自身の行動や生活内容がデータ化でき、それを分析することで生活のリズムや規則性、あるいは変化の予兆などが検知できるようになります。つまり、病気を発症してから処方薬に頼るのではなく、発症・重症化する前に予兆を検知し、たとえば運動療法や食生活の改善を行って、自ら病気を防いでいく。そんな生活スタイルで暮らせるようになるわけです。ひとりひとりの健康管理に役立つ、ITを使ったヘルスケア。健康管理以外にも、たとえばマンションライフに活かせる発想などもあるだろうか。山本教授に聞いてみました。「たとえばマンションの共用部に設置したセンサーと、あなた自身が持っている生体情報によって、今日のあなたが転倒しやすい場所、ケガをする恐れがある場所などを、事前に検知することができるようになるでしょうね。あるいは生活している部屋の中でも、子どもの微妙な重心の変化などから滑りやすい場所を検知して、すべり止めを設置したり、家具の配置を変えたり。そんな発想も可能になってくるかもしれません」日本の先進的なセンサ技術の活用と、IT×健康をテーマにさまざまなシーンで開発が進むヘルスケアテクノロジー。これからどんな道具やサービスが登場するのか、大いに期待できそうです。健康寿命を損なう要因の2/3は、脳の老化が原因マンションライフにも活かせるヘルスケアテクノロジー資料:厚生労働省「国民生活基礎調査」(平成22年)よりスポーツシーンにおいてよく利用されるリストバンド型の活動量計は日常の心拍や睡眠など、自身の健康管理ツールとしても役立ちます。健康寿命を損なう要因認知症15%無回答2%その他18%フレイル(虚弱・老衰)14%転倒・骨折10%関節疾患11%脳血管疾患22%心疾患4%呼吸器疾患3%悪性新生物2%05