トップ > パソコン・インターネットお悩み相談室 > どこをクリックすればいいかわからなくなることがある
インターネットを使っていると、クリックしたはずなのに他のページに行かなかったり、どこをクリックしたらいいかわからなかったり、気がついたら覚えのないページを開いていたりして、迷子になっちゃうことがあります。迷子になるとけっきょく最初からやり直すことになり、疲れてしまうのですが、どこがいけないのでしょう?
実はWebページの「どこをクリックすると何が起きるか」はWebページをデザインする人次第。親切なサイトはクリックすべき場所がわかりやすくデザインされていますし、時には見た目優先でどこをクリックすればいいのかわかりづらいこともあるでしょう。ひとことで解決するのは難しい問題です。でもいくつかの原則があります。それを覚えておけば迷子になる確率は確実に減ります。大事なのは、画面をよく見ることです。具体的にどこを見ていればいいのか。そんな話をしましょう。
パソコンを上手に使う一番のコツは、意外かもしれませんが「画面をきちんと見る」ことです。たいていのWebページはよく観察すると、ユーザーのマウスの動きやクリックに応じて何らかの反応を返してくれるようにデザインされているからです。パソコンが操作する人に何らかのメッセージを伝える手法は「画面表示」ですから、たいてい何らかの信号が出ているのです。でも毎回画面を隅から隅まで見ていたら目が疲れちゃいますよね。そうならないよう、ポイントをいくつか覚えましょう。
一番大事なのはマウスカーソル。マウスやタッチパッドを動かすとそれで連動して画面上で動く矢印ですね。マウスカーソルやマウスポインタと呼びます。画面上であれこれ仕事をする、自分の指の分身のようなものです。
Webページ上でマウスカーソルを動かしてみると、時々形状がかわるのがわかります。ふだんは矢印なのに、時々「指」の形になります。その変化が大事です。試しに以下のスライドで見てみましょう。
文字だろうがイラストだろうが写真だろうが、クリックすると何かが起きる仕掛けが置いてあるところで指の形になりますから、そこに気づけば、リンクを見逃すことも、どこがリンクか探すこともなくなるでしょう。
文字の場合、マウスカーソルが重なるとアンダーラインが表示されることがあります。これもわかりやすく「ここがリンクです」と教えてくれているのです。一般的に、リンクが埋め込まれている文字は他とは違う色(青系が多いが赤いこともある)になっていますから、そこも要チェック。ただ、Webサイトによってデザインは変わりますから注意しましょう。たとえばスライドでご紹介したように、朝日新聞デジタルのサイトでは記事の見出しは黒い文字ですが、マウスカーソルを当てると背景がグレーに変わることで知らせてくれます。
いずれにせよ「マウスカーソルが指の形になる」「何らかの形で画面に変化がある」のが大事。細かい事ですが、そういうパソコン側からの信号に気づくようになると、戸惑うことはぐっと減りますから。
「あれ? ここだと思っていたのにクリックしても反応しないぞ」と何度も挑戦せず、一度マウスカーソルを見てみましょう。ボタンはすぐ近くにあるかもしれません。一番危険なのは「思い込み」。パソコンを使うとき、「ここをクリックするとうまく行くはずなのに動かない」と思い込んでしまうことで、トラブル解決が遅くなるケースが多々見られます。注意ポイントですね。
リンクをクリックして次のページを開きたいのに、なかなか開かない、ということがあります。つい何度も同じところをクリックしちゃうことも。でも考えてみましょう。
ボタンをクリックすると、次に開くべきページにリクエストが送信され、ページのデータが手元のパソコンに送られてくるわけです。そのとき、開くべきページを持っている会社のサーバー(要するにWebデータを持っているコンピュータ)が不調だったり、リクエストが多すぎて混雑していれば、こちらへデータを送るのに時間がかかります。混雑しすぎていると、相手先から「今はちょっと無理」という反応があるかもしれません。
たとえば、台風や大雪の予報があるとき、天気予報のサイトは非常に混雑し、時間がかかることがあります。あるいは、人気のチケットを予約するとき、日本中(あるいは世界中)から多くの人が殺到するので、反応が鈍くなることがあります。なかなか表示されないとき、俗に「このサイトは重いな」といいます。すぐに表示されるときは「軽い」といいます。まあ、軽快だったり鈍重だったりする動きを比喩的に表現していると思ってOKです。
他にも様々な理由で、思ったような反応をしてくれないことがあります。あれ? と思ったら、一番上の「タブ」を見てみましょう。
この「ページの再読み込みする」という操作のことを「リロード」といったり「最新の情報に更新」といったりします。とてもよく使う操作ですので覚えておきましょう。(F5キーを押しても同じ操作ができます)
いずれにせよ、大事なのは「あわてない」こと。われわれがクリックしてリクエストを出したら、その信号はインターネットの世界を飛び回り、相手が受け取ったらそのデータを送信して、それを手元のパソコンで受信して、という作業が世界中で大量に行われているわけですから、「まあ、世界中を信号が行き来しているのだから時には渋滞することもあるわな」というくらいの鷹揚な気持ちでいるのがお勧めです。
インターネットで迷子になりやすい機能として「タブ」も上げておきましょう。Webブラウザは一度にたくさんのページを開いて、切り替えながら見ることができます。
ここでいうタブはファイリングシステムの「インデックス」を指します。見た目がインデックスタブに似ていてわかりやすいからですね。目的の書類をインデックスタブから探す感じで、タブをクリックするとそこが一番手前に出てくるようになっています。 たとえば、温泉旅行の計画を立てるとき、地図と、現地の天気予報と、鉄道の乗換案内と、温泉街のサイトを一度に開いて、切り替えながら見られたら便利だ、というのはわかると思います。そういうことができるわけです。
それではタブの使い方を見ていきましょう。
さてなぜタブの話をしたか。実は、タブは意識しないうちにどんどん増えていくのです。普通はリンクのボタンをクリックすると、そのページにジャンプします。今見ている画面がそのページに置き換わりますが、代わりに、新しいページを新しいタブで開く仕掛けになっているボタンもあるのです。
たとえば、朝日新聞デジタルは記事を「ツイート」する機能を持っています。Twitterというサービスを使って記事の内容にひとことつけて公開できる機能ですが、これをクリックすると新しいタブが開きます。
このように、今表示している内容を差し替えるより、新しいタブにした方がいいとWebサイトの制作者が考えたときは、新しいタブで開くこともできます。あわてないで、タブをよく見れば、さっきまで見ていたページに戻れます。
つまるところ、マウスカーソルにしろ、タブにしろ「画面のちょっとした変化に気づきましょう」ということ。実はこれ、インターネットを使うときのみならず、パソコンを使うときすべてに役立ちます。パソコンは画面上のどこかを変化させる(色を変えたり形を変えたり何か新しいものを表示したり)ことであなたにメッセージを伝えようとしていますから。